3.プロローグ・・・私は強情偏屈だった
声で聞く→先生のお話1
政木先生:どうも皆さんこんにちは。実は、私がですねこういうことを・・・。まあ
ねえ、私、実は今から十何年か前まで強情偏屈。まあ日本一の強情偏屈だっ たんです。そして私の頭はカチカチの頭。そういう私がですね、どう考えても自 分でもわからないことになったわけですね。
私は、何才ですかね、自分で阪大へ入ったわけですね。ところが大阪大学へ
入って・・・。普通の方だったら一科目でおしまいなんです。私は大阪大学の工 学部を、七科目全部をやってしまったんです。そうしまして、昭和二十一年から また思うことがありまして医学部へ行きまして七年間やったわけですね。
そういうことをやって頭はカチカチの強情偏屈。まあ、私の強情ってのはちょっ
と普通じゃないんですわね。昭和十八年、ふっと自分で思ったこと。「あっ、これ は、日本戦争必ず負ける」ことがわかったわけです。そうしたらもう、やもたても たまらなくなりまして何もなしで面会を、総理大臣のところへ行きまして、「ぜひ とも面会して欲しい」言うて行った。ところが・・・。昭和十八年、戦争の真っ最中 です。私を受付けで、一時間ほどいろんなことを・・・。「あなたが本当に面会に 来たんだったら何かがないといかん」 何もなしで行ったわけですね。一時間ほ ど受付けでいろんなことを調べられて、そして、「まあ、一応行け」ということにな って、そして・・・。その時年は二十七歳ですね。
そして、直接面会して、「もう必ず日本このままでは戦争負けることわかってい
るから」と言うて、いろんな私の意見を出したわけ。その明くる日に、「日本の偉 い様全部集合せよ」「政木の言うことをよく聞いてみよ」ということに決められた。 それを・・・、私が言うことを全部やったわけですね。そしたら、「政木の言う通り に早速実行しよう」ということになったわけです。それほどですね、自分で思った らもう、「なにもなくても行こう」。そういうことを昭和十八年にやったわけです。
![]() |